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故人様と家族の思い

2010.09.07 お知らせ

先日、生涯忘れる事のないお葬式を担当させていただきました。
その時のお話しです。

ある日、一組の家族(父親とお嬢様二人)が来館されました。

『お葬式の事で、少し話しを伺いたいのですが…』

席にご案内し、私は尋ねました。
『先ず、どういったお話をさせていただきましょうか?』

すると父親は
『実は、妻の事ですが…とりあえずこのノートを見て下さい。その方が話しは早いと思います。』

と、鞄からノートを取り出しました。そこには

  • お葬式は無宗教でして欲しい
  • 流す音楽の中に好きな曲を入れて欲しい
  • 洋花で柩を囲んで欲しい
  • 御香典等の御厚意は辞退したい
  • 焼香ではなく献花にして欲しい

ご自分のお葬式のご希望が書かれていました。
更にページをめくると『ごあいさつ』と書かれたページがあり、
そこには、お葬式に来て下さる方々への感謝の言葉が書かれていました。
私は、自分の死をこんなに受け入れて考えられる人がいる事に驚きました。

父親は『可能ですか?』と不安そうに尋ねられました。
私は、形式のあるお葬式ではないので、皆様の協力が必要である事を伝えると、父親は
『妻の言うとおりのお葬式にしたいので、お願いします。』と仰いました。

私は再度ノートを見せて頂き、いくつか提案を致しました。

  1. 奥様より皆様への感謝の言葉を直筆のまま会葬礼状として使用する事。
  2. お葬式というより、お別れ会の雰囲気を式場に表し、温かくお別れできるようにする事。

故人様を感じる温かみのある祭壇

故人様は喫茶店を営んでいたということで、お店を見せていただきました。
落ち着いた雰囲気で、目についたのが『イスとテーブル』
温かい感じがして、それを見た時に、祭壇の中にお店の一席を組み込む事で、故人様をより強く思い出してくださるのではないかと思いました。

こうして中央より左側には、沢山の花に囲まれた故人様を…
右側には緑に囲まれた、お店の一画を組み込んだ、世界に一つの祭壇が完成しました。

店内にいるようで温かい雰囲気の中、思い出ビデオの映像と女性司会者によるナレーション・お好きだった歌を聴くことで、元気だった頃の故人様のことを思い出していただき、お嬢様のお手紙を読むことで、ご親族や、ご友人の知らない故人様を感じていただきながらゆっくりとお別れをしていただきました。

無事お葬式も終わり、後日ご自宅へお伺いした時、お嬢様から
『お参りに来られた方が、”いいお葬式だったね。私もあんな風に手作りのお葬式で送ってもらいたいわ”と話されていた。』
と、教えていただきました。
そのお話しを伺い、このお葬式に関わることができてよかったと心から思えました。

これからも故人様を送るご家族の声に耳を傾けられる葬儀屋さんでありたいと思っています。

 

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